インテリジェンス・トラップとは、賢い人こそ賢そうに見える人が引っかかりやすい罠のことです。
賢い人こそ仕事に失敗する「インテリジェンストラップ」の恐怖
記事では『賢い人こそ』とありますが、個人的には『賢そうに見える人が』という表現が近いと思います。
賢そうに見える経歴や実績があると、本人だけでなく周りも過大評価しがちで、「自分の考えが正しい」と思い込みやすい傾向にあります。
高IQ団体METIQ、ハイレンジIQテストもまた、インテリジェンス・トラップが関連しているように思います。
また、『賢そうに見える人』だけが引っかかっているのではなく、『賢そうに見える人』から被害を受けた人や、自己愛性人格障害などが複雑に絡んでるという背景があります。
高IQ団体やMETIQについてよく知らない方は以下の記事を参考にしてみてください。
IQテストに引っかかりやすい人の傾向
おそらく、普通に生活していたらIQテストや高IQ団体に興味を持つことはないと思います。
学校や職場などの環境からのストレスや違和感を感じていて、『メンサ会員の紹介』や『高IQあるある』をメディアやSNSで見かけた時に、「そのストレスや違和感はIQのせいかも」と感じて興味を持つという流れが最も多いのではないかと思います。
そういった状況の中で、正しい判断ができた人とできなかった人がいますが、それが必ずしもその人自身の問題に直結していない理由があります。
その理由は、人それぞれ、受け取った情報や前提の条件・状況が違うためです。
(高IQ・高学歴界隈に多い、尊大型・積極奇異型ASDの人は、自分が受け取った情報と他人が受け取った情報に差異があることが想像できず、自分中心で物事を考えて他人を攻撃しがちです。)
- 古参ほど引っかかりやすい
- IQ流行のピーク時が引っかかりやすい
- 自己愛のターゲットが引っかかりやすい
- 教育を受けた人ほど引っかかりやすい
- 育ちが良い人の方が引っかかりやすい
これらの引っかかりやすい条件や理由について、解説をしていきます。
古参ほど引っかかりやすい理由
私自身はMETIQは古参でも新参でもなく、途中でやめてしまったので全て理解しているわけではないのですが、一時期参加していた会員の感想として、古参ほど高学歴・理系の割合が高いと思いました。
(ハイレンジ界隈と比較されやすい、オウム真理教も高学歴が多かったそうです。)
古参ほど引っかかりやすい理由は、主に以下の通りです。
- 情報が少ない、相談できる人がいない
- おかしいと思っても信者の方が多数派だと指摘しづらい、反論できない、反論しても潰されやすい
私も経験しましたが、提唱者は最初は言ってることが正しくても、途中から話が変わってたりするんです。
違和感を感じても信者が攻撃して黙らせる、そうこうしているうちに巻き込まれていくみたいなヤバさがあります。
これは状況や商材、内容が違うだけで、日本の腐った組織あるあるだと思います。
提唱者の発言が変わる理由は、本質を理解して発言しているわけではなく、自分が賢いと思われることが最優先になっているため、権威性のある人や賢い人の意見をツギハギしているため矛盾だらけになると考えられます。
高IQ者ならMETIQに入っていて当然かのような尊大な主張
METIQ代表であり、ハイレンジIQテスト作者の幸田直樹は自身のエックスで以下のように、『METIQに入ってない高IQ者は十中八九偽物』とツイートをしていました。
専門家でもなく何の実績もなかったとしても、さすがに実名顔出しでこういうことを言われると相応の根拠があるはずだと性善説で信用する人が多いと思います。
私は幸田直樹にバッタリ遭遇した時に、京都大学の有名研究室の所属であるかのような振る舞いをされたため、METIQに入ってしばらくするまではそのように誤認していました。
通常であれば、京都大学の有名研究室の所属であれば、何か根拠があって発言していて当然だと考えます。
こんなふうに幸田の経歴を誤認していた人が他にもいるかもしれません。
途中から話が変わってる
幸田直樹は、偉い人の意見を自分で考えたように言うなど、おそらく本質を理解して発言していないため、言っていることがコロコロ変わっています。
同人パズルのつもりが、いつの間にか作者が「天才検出器」に
当初のハイレンジIQテストは、部活やサークルのような、同じ趣味・価値観で集まってるという意味合いも強かったように思います。
ところが、途中から「天才検出器」になってしまっています。周囲の人間としては、後出しで言われるとどうしようもないです。
まだ開発途中、研究中のはずがいつの間にかWAISやCATTELよりも上に
METIQ内では、これから研究が始まるというニュアンスだったのに、いつの間にか作者がハイスコアを出した大西拓磨さんを天才呼ばわりし、挙げ句の果て、医療機関で受験ができるWAISやCATTELより信用できるIQテストであるかのように情報を拡散しはじめました。
WAISの場合、科学的根拠云々はさておき、WAISだけで判断や診断するということはないというのと(それだけで判断するヤブ医者もいそうではありますが)、WAISを参考情報の1つとして患者の背景や医師の経験則に基づいて診察しているので、CAMSと比較すること自体がナンセンスな感じがします。
仮に科学的根拠がある検査であると仮定した時に、それを何の実績もなく、専門家でもない人がコメントするのと、資格や経験のある人がコメントしているのでは大きな差があると思うのですが・・・?
また、理屈で説明できなくても(そもそも理屈や科学的根拠というのは人間が考えたのであってイコール真実ではないですし)、長年に渡って使用してきて、それが役に立ってるという実績も大切なのではないでしょうか。
これって自分の話ではないでしょうか?
また、幸田は、Yahoo!知恵袋でもCAMS(幸田が作った自称高域IQテスト)について、WAISやCATTELより信用できるIQテストであるかのようにステマをしていました。
IQ流行のピーク時が引っかかりやすい理由
2019年秋に高IQ認定支援機構が設立され、科学的根拠のないハイレンジIQテストがSNSや一部メディアで持ち上げられていました。
NHKの番組でも放送されてしまったほどですし、権威性や学歴、資格のある人が肯定してしまっている状況がしばらく続きました。
権威性のある人が肯定しているから大丈夫、正しいと思ってしまう人も多いと思います。
逆に、ある程度は性善説で信用できないと普通に生活を送ることができません。
自己愛のターゲットが引っかかりやすい理由
自己愛性人格障害者は、権威性のある人・賢い人・ターゲットの言動をパクって、自分で考えたかのように話します。
そのため、ターゲットはその『権威性のある人・賢い人・自分以外の他のターゲット』が言っていることに共感してしまって騙されるというわけです。
自己愛性人格障害者がターゲットの真似をする、とは?
勝手にターゲットを敵として見て攻撃するくせに、とにかくターゲットの言動を気持ち悪いくらいに意識し、奪うように・マウントを取るようにパクります。
ターゲットが〇〇に行きたいと言ったらターゲットよりも先に〇〇に行くことにフルコミットするみたいな(笑)
普通はリスペクトしている人から学んだり、同じ行動をしてみたりするものですが、嫌いな人に影響されるって残念な人生ですよね。
まるで嫌いなもの詰め合わせセットみたいな人間です。
自己愛性人格障害者がターゲットの真似をしている様子に共感してしまう、
つまりは自己愛性人格障害者を挟んでターゲット同士が共感してしまっているみたいな状況です。
- ターゲットA「これは▲▲だ」と発言する
- 自己愛性人格障害者「これは▲▲だ」と自分が思いついたように言い出す
- ターゲットBも「これは▲▲だ」と考えていたため自己愛性人格障害者に共感、仲間だと思ってしまう
教育を受けた人ほど引っかかりやすい理由
疑似科学には大学や大学院で教育を受けてきた人ほど、引っかかりやすいワナが潜んでいます。
権威性のある人の言うことを正しいという前提でしか物事を進められない
勉強をする時って、教科書や参考書を読むと思いますが、その教科書や参考書の内容を根拠なく信用できるのはなぜでしょうか。
教科書・参考書は、学識のある人が書いて審査にも通っているだろうという前提があります。
その「学識のある人」や「審査」がインチキである可能性まで考えていたらキリがありません。
高IQは権威性を利用していた
高IQ者認定支援機構やMETIQ、ハイレンジIQテストには権威性を利用していました。
こういった権威性があれば、普通は信用するでしょう。
NHKの番組にもハイレンジIQテストが出てしまいました。
「研究に協力してほしい」「まだまだこれから」は理系ホイホイ
大学で理系学部の人は通常は4年生くらいから研究室に所属して卒業研究をするのですが、研究をするにあたって知り合いに「被験者になってほしい」「研究に協力してほしい」と頼むこと・頼まれることがあります。
そのように頼まれるとつい協力したくなってしまうのが理系です。
知り合いから頼まれて、その研究の信憑性を調べまくってから協力してる人は少ないのではないでしょうか。
それこそ一般の人向けの治験に参加するときに、研究者レベルで検証してから参加している人っているのでしょうか。
ASD・ASD傾向が多く、のめり込むタイプが多い
理系や高学歴はASD・ASD傾向の人が多いです。
本人が生まれつき傾向がある場合もありますが、教育や環境からも影響されやすく、一度決めるとのめり込むタイプの人が多いと思います。
良い方向にのめり込めばいいのですが、悪い方向にのめり込むこともあります。
育ちが良い人が引っかかりやすい理由
「特殊詐欺」「オレオレ詐欺」などと呼ばれる高齢者などを狙った犯罪がありますが、一般的に育ちが良い人やお金持ちが引っかかりがちであると言われています。
(一部の宗教による被害も含め、頭が悪いと勘違いされやすいですが、一般人には寄ってこない害虫が寄ってくるので、一般人と比較してどうのこうの言う方がおかしいと思います。)
育ちが良い人が信じやすい理由
育ちが良い人ほど、周りが善人ばかりの環境で育っている方が多く、ポジティブな思考をする人や他人を性善説で信用できる人が多いと思います。
一方で、育ちが悪く、かつ頭が悪い人は何でも物事をネガティブに捉えて、他人の普通の発言ですら懐疑的に捉えてしまいがちな人が多いと思います。
(まさに、私みたいな人が育ちの良い人やお金持ちの話をすると、根拠もなければ本人に確認することもなくネットで調べた情報だと決めつけてくる馬鹿がいますが、ちょっとでもお金持ちが多いクラスタにいたら結構なお金持ちとか家柄の人とかいるので会話に出たりしますよ・・・)
詐欺師は善人ぶった発言をして騙そうとしてきます。
育ちが良い人は利他的な行動をする人が多いため、協力しようとしてしまったり、助けようとしてしまったりしがちだと思います。
洗脳がやばすぎる
以下の記事でも触れましたが、ハイレンジIQの界隈は、IQテストの不正を暴くために私刑を下そうとします。
最初は善意からはじまった
高IQって、最初はそんなに犯罪っぽい話ではなかったんです。
むしろ、一般社会に馴染めないけど才能がある人を救おうっていう善意を強調していました。
気付いたときには洗脳されている
ルール作りや制裁など、基本的には古参連中だけでやっているのでブラックボックス化してますし、部活とかサークルとかで不正した人を追い出すとかそんなニュアンスだったのですが、実はトンデモだったみたいな感じです。
気付いた時には脅迫されて抜け出せなくなります。
自分達で考えた身内だけの、とくに守る必要のないルールを破らせないために、常習的な脅迫してルールを守ることを強要します。
このあたりは一般的なハラスメント問題とも似ていると思います。
恐怖で支配
最近話題となった”切腹カイザー”事件でも「主な原因のひとつに、X医師のパワハラによる恐怖支配がある。」とされています。
手術室には産婦の絶叫が響き…麻酔が効かないままの「切腹カイザー」はなぜ繰り返されたのか(文春オンライン)
どうして洗脳されてしまうのかは、このような状況になったことがある人以外は理解が難しいと思います。
これを読んでいるあなたは第三者の目線で読んでいると思います。
洗脳されると、自分の置かれた状況を第三者の目線で見ることが難しくなってしまいます。
ハイレンジIQテストのよくある指摘
ハイレンジIQテストに対してSNSやネット掲示板でよくある指摘をご紹介します。
高校レベルの数学で分かる?
ハイレンジIQテストはもちろん、あらゆる疑似科学もそうなんですが、「高校レベルの数学・理科で分かるだろ」というツッコミがあります。
これは、むしろ頭悪い人のツッコミだと思います。
だって高校レベルの知識で解決のするなら大学とか大学院とかって何のためにあるんですか?
教育上、簡易化されてたりするので、違うと思ったとしても自分が知っているよりも難しいことを学んでそうな人が言ってることは「自分が知らないだけで何か理由があるのかも」と考えるのが普通だと思います。
中学以降の数学でxやyを使ってる人を見て、小学生が「xじゃなくて□だろ!」って言ってるような感じです。
(ゆとり世代だけかもしれませんが、小学生の時の方程式は簡単のため□を使っていました)
高校レベルの知識を理解していたとしても、偉い人・権威性のある人にが肯定していたら、普通は「自分が知らない理屈があるのかも」と思いませんか。
誰もハイレンジIQテストの統計が説明できない?
統計が説明できないハイレンジャー(ハイレンジIQテストでハイスコアを出した人)は馬鹿だ!
というツッコミもよく見かけます。
研究レベルで嘘か本当か検証するとなるとかなりの労力が必要です。
普通、1つの研究テーマは働かずに大学や大学院で徹夜までしてやるほど時間と労力がかかるものです。
天才だったら理解や文献の読むスピードが速いかもしれませんが、それでもそれなりに時間がかかると思います。専門外の英語は知らない単語がたくさん出てくるので、最初はその意味を一から調べる必要があります。
そこまで労力をかけて、学業でも仕事でもないことに時間を費やす人はなかなかいないでしょう。
以下、補足になります。
たぶん私と同じことを思ってる人がいると思うのですが、高IQ者認定支援機構の批判記事を書いていた「ケイ父」という人は、研究者を自称しており、自身のブログで研究者の立場からコメントしたような論調ですが、統計やギフテッドに関する論文を十分に網羅した上で語っているようには文面からは判断できないと思います。ギフテッドや統計に関する論文を網羅した上で語るにしては引用している文献が少なすぎます。
高IQなら調査できるだろ?
権威性のある人の意見でも一語一句調べろというのならば、
あなたは教科書や参考書に書かれていることを絶対に信用しないでくださいね。
こういうコメントする人って、自分の頭が良いと思っているから無駄にコメントしていませんか?どうぞ、調べてみてください。
もし全部調べて検証しなければならないのなら、大学の講義すら聞けないです。
現実、正しいという前提で信用するしかありませんし、そういう判断をしないと大学なんて卒業できないと思います。
結局、頭良い人だけがいる集団を作るのは難しい
他人を批判するのが趣味で、他者視点がない・他人の立場に立って考えられない人は「疑似科学に引っかかった奴」と一括りに馬鹿にする人が多いですが、むしろそういう人がいるせいで頭の良い人・建設的な議論ができる人を求めた結果がこれなんです。
以下の記事でも触れましたが、高IQ団体には”知的な交流”を求めて参加した人も多いはずです。
なんらかの条件で集団を作ろうという試みはたくさんあると思いますが、結局「コミュニティクラッシャー」と呼ばれる組織を破壊する人に潰されやすいという現状があります。
本当に頭が良い人を集めた集団を作るのは非常に難しいです。
新しく集団を作ることも大切ですが、
せっかくある、現存する良い集団を潰さないようにすることも大切です。